ランサーズの中の人に聞いてみた~最近流行のノマドって何ですか?~


 

サノウラボ碇です。

 

最近「ノマド」という言葉を、よく聞くようになりました。

 

インターネット業界に身を置いていると

「あの人ノマドだからあちこちにいるんだよ~」

「渋谷に新しいノマドカフェができて~」

 

ノマド・・・・?

 

NOMADO・・・・・?

 

「ノマドって何ぞ」

そっとwikipedia先生に聞いてみました。

 

 

「英語で遊牧民の意味。ノーマッドとも表記される。」

 

遊牧民、だと・・・・!?

 

 

こんな人達なの・・・・?

 

 

おいおい、こんな馬連れてそうな人と仕事できないだろJK、

とあちこちのサイトを検索して

「遊牧民っぽくあっちこっちで働いている人」という

なんとなくそれっぽい理解をして納得していました。

 

そんなある日、元某媒体の営業マンだった山口さんから連絡が来た。

 

「お久しぶりです~」

「あ、どもですー。久しぶりですね!今山口さん何やってるんですか?」

「ランサーズってサービスにいます。開発者さんとかクリエイターさんを対象にした仕事マッチングサイトで、営業兼広報やってるんですよ。ノマドスタイルの人とかも多く登録してらっしゃいますよ」

「(またノマドか!)あ、そうなんですね。私とやってること結構近いかも。個人でサービス作ってたりする人と関わることが最近多いんですよ」

「ほんとですか!うちの代表も紹介するのでぜひ今度お話しましょう~。」

「ぜひぜひ。最近ノマドって言葉もよく聞いたりするんでそこんとも詳しく聞きたいです!」

 

とそんなこんなで、一緒にお茶する機会となりました。

 

 

ランサーズとは?

日本最大級のクラウドソーシングサイト。

仕事を頼みたい依頼主と仕事をしたい人のマッチングをWEB上で行うことができる。

業務はデザイン・ウェブ制作/開発・データ収集/入力などの70ジャンルにわたる。

依頼実績は39,000件、登録会員は69,000人(2012年03月時点)

依頼~支払いまで全てオンラインで完結可能。

http://www.lancers.jp/

 

ランサーズを運営している株式会社リート代表取締役社長秋好陽介さん(右)

ビジネス開発部部長山口豪志さん(左)

 

ソフトとハードの両面の進化によって仕事のスタイルが変化してきた。

 

碇(筆者)

今日はよろしくお願いします!いきなりですけど最近よく聞く「ノマド」ってなんですか? 検索かけたら馬を走らせてそうな人たちが出てきてびっくりしました。正直あんな人とは仕事できる自信がないです。

 

山口さん

「いや、本物の遊牧民じゃないので(笑)特定の仕事場所に縛られずに、仕事を行う人たちのことを『ノマド』といい、新しい働き方として最近よく言われるようになりました。実はついこの前まで僕もノマドワーキングしてました。実家のある岡山に暮らしながら鎌倉にあるランサーズの仕事をしてましたからね。」

 

碇(筆者)

ほうほう、なんでまた今こんなにもノマドブームなんですか?

 

山口さん

「ハードの変化が原因として大きいですよね。僕は以前人材の会社に勤めていた時期があったのですが、2006年頃ですかね、『会社にいること=仕事』という感じでした。それからネット業界に転身して、ノートPCと携帯があればどこでも仕事できるようになった。端末の進化で『オフィスの中でしかできない仕事』が『社外に持ち出せるようになった』のは大きいです。それによって時間の自由がきくようになったり、仕事のスタイルが変化してきた。ノマドワーカーを増やしている背景はそこにあると思います。」

 

秋好さん

「ハードの変化が大きいのはもちろんですけど、ソフトウェアの変化もすごく大きいです。メールを社外で確認することはセキュリティの問題もあって数年前にはほとんどできなかったでしょう?今はいろんなツールがクラウド化されているから、PCとネット環境さえあればどこでも仕事ができる。ネットのつながるカフェやコワーキングスペースも増えて、環境的にも変化しています。」

 

碇(筆者)

確かに環境は劇的に変わりましたよね。渋谷なんかどこでもネットつながるし。10年前なんか23時を待ってテレボーダイだったのに。ガラガラピ~みたいな(笑)

 

秋好さん

「ありましたね、懐かしい!あの頃はISDN、今は光でしょう。ピーガラガラは外に持っていけないですから(笑)」

 

ノマドのメリット・デメリットって?

 

碇(筆者)

ノマドスタイルにはどのようなメリットがありますか?

 

山口さん

「固定費がかからないことと、時間と場所の自由がきくこと。今までは会って紙で突き合せなければいけなかったものが、遠く離れた人とスカイプなどを経由して画面を見せ合いながら仕事できるようになって、場所や時間の制約がとかれた。『自分の時間を自分でコントロールできる』のは一番のメリットですね。『毎日この時間にここにいなければならない』という制約はないですから。いろんな制約がとかれて自分の時間を使う優先順位を自分で決められるのは嬉しいですね。」

 

碇(筆者)

なんだかサラリーマンからはすごく素敵な働き方のように思えてしまいますねえ。逆にノマドスタイルのデメリットって?

 

秋好さん

「面と向かって話せない分、スタート時の不安はデメリットと言えます。スカイプでの会話に慣れて「肌感覚」に近い状態を互いに作るというコミュニケーションの歩み寄りみたいなものは必要だと思います。機密情報を守るという意識も大切ですね。」

 

山口さん

「ノマドワーカーに対する社会的な好奇心が高まりつつある中で、まだ社会全体の理解度が低いし、定位置をもたずに仕事している人への社会の壁みたいなものがある。そういった壁をひとつひとつ取り払ってゆきたいと考えています。また、自分にタスクと目標を課して遂行できる、高い自己管理能力が必要だから、会社から管理がないと仕事ができない人は向いていないかもしれません。逆に管理されるのが嫌な人にはむいているのでしょうね。病気になった時は代替がきかないのはノマドにとっては大変ですよね。組織の中であれば誰かがある程度サポートしてフォローする事が可能ですが、ノマドの場合、自分の替えはいませんから。」


 

「ノマドワーカーに対して社会の理解度が低いことは問題のひとつ。」と語る株式会社リートビジネス開発部部長山口豪志さん。

 

秋好さん

「税務・総務関係のタスクも全部自分で処理する必要があります。3月のこの時期だと確定申告も大変です。自宅をコワーキングスペースにしてる人は『ここからここは自宅、ここからここは仕事場なんで 【面積÷●×0.3】で経費はこれ』みたいな・・・」

 

碇(筆者)

あー私無理だ、確信した。サラリーマンにとってはめんどくさすぎる!!!

 

秋好さん

「(笑)管理されるか自分で管理するか、職業において自由の選択肢が増えたのはいいことだなと思いますけどね。」

 

ノマド・ワーキングしつつ、自分を守るために

 

碇(筆者)

最近急にノマドノマドって聞くようになりましたよね。今後ノマドスタイルの人ってやっぱり増えるんですかねえ。

 

山口さん

「いきなりガラッと置き換わるということはないと思います。じわじわと社会に一般化していって次第に顕著化していくイメージ。まだまだ既存の就職路線に対する憧れも強いですし」

 

秋好さん

「これからは週末企業的な、副業や、ハイブリッドな働き方が増えると思います」

 

山口さん

「ライターだと組織に属しながらフリーで寄稿するなんて当たり前だけど、会社員でもそういうことが当たり前になるのではないでしょうか。今まではコンサルタントって言われてた人もノマドスタイルの中に組み込まれていって、会社のコースの中にもノマド的な働き方が一般化してくると思う」

 

碇(筆者)

でも会社に属さない個人からすると「安く労力を買い叩かれるのでは?」って不安が強いですよね。そういう目にあわないようにノマドワークする時に注意することがあれば教えて欲しいです!

 

秋好さん

「自分の遂行する業務内容をきちんと理解して頂くということは一番大事です。イラストカットを描くのにもこれだけの工数と手間がかかるんだ、ということを依頼主が知らないことも多いですから。『なぜこれだけ料金がかかるのか』を説明してわかってもらうこと。最終的には事業者間の取引になるので事前にしっかり交渉しておかないといけません。契約書は作りこんでおき、NOの場合ははっきり意思表示をすることが必要です。また、仕事内容の相場感を自分でも知っておくこと。」

 

碇(筆者)

クリエイターが仕事に見合った適正な報酬をもらえないのはいろんな業界でよく聞く話ですよね。ランサーズでは、こういう問題をどういう風にケアしてるんですか?

 

秋好さん

「実は、僕がランサーズを作って一番最初に直面した問題はそこだったんです。マーケットプレイスなので、場を提供しさえしてすれば、あとは市場が勝手に回るかなと思ってたんですが・・・。実際は実績作りをしたくて 『ロゴ100円で作ります!』と言い出す人がどうしても出てきてしまうんですよね。そうなると企業側も「じゃあこれも200円でやってよ」となってしまって。大きく相場が崩れてしまったことがあった。だから今は仕事毎に最低金額を用意して、相場を保つようにし、今後も適切な相場になるように努力をしている最中です。」

 

碇(筆者)

イラストなどはこの問題が多いそうですね。新人は仕事と実績欲しさに安くで仕事を請け負ってしまうから、プロとして食べている人はやめてくれと思うけど、そうせざるを得ないという・・・。結果、業界自体が安価な仕事であふれて悪循環になる。

 

秋好さん

「今は成果報酬だけでなく、時間単位で発注できるシステムも導入しています。同じオフィス内にいなくても、自動的に作業画面のキャプチャとマウスの動きを計測してこれだけ働いたよという報告ができる。このシステムは弊社の独自開発です。」

 

碇(筆者)

ええー!キャプチャまで出せるんですね・・・。なんか怖い気もする(笑)でも、次世代の働き方って感じだなあ。

 

秋好さん

「成果報酬だと、100の仕事を頼まれても結果200や300の仕事になってしまうことがよくありますが、時間単価を下げることは、請け負う側としては極力避けたい。精度を上げて見積もりを出しなおすのも手間だし。時間という概念を入れることで、働けば働いた分お金がもらえて、依頼主も気兼ねなく追加の仕事が頼めるようになります。依頼主にも働き手にも損がないようにしていきたいですね。ちなみに、弊社でも外注のエンジニアにはこのシステムを使ってますよ。」

「依頼主に自分の業務内容についてきちんと説明しておくことが大事。」株式会社リート代表取締役社長秋好陽介さん。

 

人と仕事、どう変わっていくか。変わって行くべきか。

 

碇(筆者)

今の社会で、仕事と人の関わり方を見ていて「ここは問題だな、変わっていかなきゃな」と思ってることがあれば教えて欲しいです。

 

秋好さん

「この仕事をやっていて痛感するのは、企業側の要望と人材のミスマッチが数多く発生しているということ。これは解決したい。また、在宅業務をやりたい人はたくさんいるけど、とっかかりがわからないんです、みんな。ある程度のスキルやきっかけがないとなかなか始められなくて・・・悩んでいる人が非常に多いですよね。小さな仕事からはじめてステップアップしていって、やがては一人で食べていけるような、そういう仕組みをランサーズでは作りたい。」

 

山口さん

「今の日本人ってフェーズで分かれてるじゃないですか。いくつで大学に入って、いくつで就活して、いくつで企業に入って、という。ランサーズのような場所を作ることで、そういう画一的なフェーズにとらわれない生き方ができるようにしたいですね。」

 

秋好さん

「従来ネットで仕事を得るのは‘安いが、不安’というイメージが強かったけど、我々はそこをクリアして、リアルと同等の働き方ができるようにしたいんですよ。」

 

 

碇(筆者)

それって、すごくいいなあ。今って本当に日本経済とかも落ち込み気味で、不安でいっぱいで。それができるようになると日本の世の中自体もよくなりそうですね。例えばこれから5年後、10年後、日本人と仕事の関わり方ってどんな風に変わっていくんでしょうか・・・。

 

山口さん

「仕事自体が細分化されて専門に特化していくと思う。専門特化した個人、法人がどんどんでてきて、その点の集まりみたいな社会になるんじゃないかな。その過程にコミットしていく、職人の集まり、みたいな。」

 

碇(筆者)

仕事の単位が変わるって言うのはあるかもしれないですね。会社とか組織の単位が小さくなってくるから、それに伴って何かに特化した個人がポン、と出てきてそれが集まって集合体として組織になる・・・・という逆説的なものに。

 

山口さん

「そうなってくると、横串でさして全体をコントロールする役割の人と、プロフェッショナルとして専門的な個々の活動をする人の2つに分かれていく気がします。」

 

秋好さん

「昔って、靴職人になったら、靴職人で一生を終えられてたんですよね。でも今は人の寿命が延びて、産業の移り変わりも激しくなった。人の寿命より業界の寿命の方が短くなっちゃったんです。人間は生まれると2つのスキルを身につけないと生きていけない、今ではそう言われているようです。何か1つだけでは食べられない時代になってきている。20年後には身につけないといけないスキルが3つになってるかもしれません。そういう変化に対しての受け皿が必要になると思いますね。」

 

まとめ

●ノマド=特定の場所にとらわれずに仕事を行う人のこと。遊牧民じゃないよ!

●ノマド・ワーク普及の理由は、クラウド化や端末の進化などITソリューションの進化に拠るところが大きい。

●フリーなノマドワーカーでやっていくには、トラブルに巻き込まれないように、業務内容に対する事前の説明や確認・交渉をしっかりと心がける。

●得意なスキルを磨いて2足、3足のわらじが履けるようになっておいた方が○。

●インタビュー中はあまり触れなかった日本の経済的な状況をかんがみると、正社員を抱えきれなくなった企業側の事情により、今後このスタイルは増加していくのではないかと思います。そのためにも、ランサーズのようにネット上で仕事の取引が完結できるクラウドソーシングサービスは整備されていってほしいですね。ちなみにランサーズのほか、楽天ビジネスや、うちのグループでもGMOクリエイターズネットワークさんがありますので、興味のある人は登録してみては。

 

「面と向かって話せない分、スタート時の不安はデメリットと言えます。

スカイプでの会話に慣れて「肌感覚」に近い状態を互いに作るという

コミュニケーションの歩み寄りみたいなものは必要だと思います。

機密情報を守るという意識も大切ですね。」

ライター:碇まどか
ネット広告のレップ業を営むGMOアドパートナーズ・メディア企画部に所属。 ニコニコ動画、mixi、Twitterなどのソーシャルメディア媒体を担当。 ソーシャルメディア研究機関のサノウラボ兼務。Graph hackアワードの企画・運営に携わる。

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